第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
遷移金属
遷移元素は、外側の電子は1=2個」ですが、わりと自由なのでいろいろ価数をもつものが多いです。 密度が大きく、融点が高く、かたい金属が多いです。それは、金属結合に最外殻以外の電子も関与するからです。電子のエネルギーは、典型元素と比べて自由なのです。 また、錯イオンになるものが多いです。配位数は、イメージでおぼえましょう! Znは遷移元素がビミョーな位置づけですが、今は入っています。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
亜鉛
そもそも、遷移元素とはなにか。 まず、電子は、電子殼に最大限に入る数が決まっていて、2n2と表せます。なぜKからかというと、まだ内部に見つかるかもしれないから、A~は残しておいたそうです。 典型元素は、最外殻にある電子によって、性質が大きく変わります。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
電子の軌道のつまりかた
ところが、M殼に電子が8コ入ったところで、いきなりすっとんで、N殼に電子が入ります。なぜかというと、軌道は1種類ではなく、いろいろなエネルギーのものが混じっているからです。低いエネルギーの順に、うまっていきます。 spdf・・・と表されますが、なぜこうなっているのかな、昔のお人が勝手につくました。fからはアルファベット順です。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
遷移金属とは
N殼とO殼の間でも、同じような事が起きます。表面が同じで中がちがうだけなので、にたよーな元素がぞろぞろ出てきます。そういうのを遷移金属と呼びます。全部金属だから、遷移金属」ともいいます。 ランタノイド・アクチノイドは、N殼もO殼もつまってないうちからP殼に電子が2コ入るので、もう、みんなそっくりです!周期表でも、まとめて、雑に書いてありますね。でも、微妙に違うんですよ。このうち何人か、有望なコがいるという事がわかってきました。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
たまたまなZn
というわけで、Znは、たまたま典型元素のような形をしています。M殼に順番につめていくとき、たまたま18コになったのです。 専門的にいうと、軌道の形はspdf・・・があって、d軌道が全部満たされたものは、典型元素のようになります。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
ビミョーな立場のZn
ヤマちゃんは、モテない男の代名詞だったのに、なんと!女優の蒼井優と結婚しましたね。「ぼくは、典型元素だったんですよ!エッヘン。」といばっているイラストを描いたんですが、 最近は、やっぱり遷移元素になってしまって、描き直しました。。別に離婚したわけじゃないですがー、新課程でそうなっちゃったんですもんねー。 でも、遷移元素の中にも、化学の発展に貢献するものが出てきました。扱い方がわかってきたのです。それらは、レアメタルと呼ばれます。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
水酸化亜鉛・酸化亜鉛
Znは両性金属で、Alとちょっと似てます。Cuとの合金は黄銅。鉄板のメッキはトタンです。→第1編 ZnOは白い粉末。両性酸化物なので酸にもアルカリにも溶けます。油えのぐの白で、ジンクホワイトとか、亜鉛華とか呼ばれます。
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硫化亜鉛
ZnSは白い沈殿で、蛍光を発する蛍光塗料に使います。硫化物は、蛍光を発するものが多いです。 ちょっと専門的にいうと、不純物にCuやAgをまぜると、それがエネルギー順位をつくり、紫外線などのエネルギーをあてると電子が高い状態になり、この順位まで上がります。これがもとにもどるとき、発光します。硫化物はこのときのギャップが、ちょうど可視光にある事が多いのです。 でも、遷移金属の硫化物は、光を吸収してしまうものが多いので、発光しません。ビミョーなZnあたりが、ちょうどよいのです。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
Fe
Fe2+よりFe3+の方が安定です。 Fe2+は淡黄色、Fe3+は赤褐色、そのへんの茶色のさびは、Ⅲ価の鉄です。鉄は不動態もつくるので、濃硝酸、熱濃硫酸に溶けません。→第1編 Fe2O3は赤さび、赤鉄鉱と呼ばれます。Fe3O4は黒さび、磁鉄鉱と呼ばれます。磁性があるからです。Fe2+とFe3+の混合です。高温でできるので、鉄瓶をつくるとき、わざと高温でさびさせ、それ以上さびない、強いものをつくります。 そのイオンとちがう価数のシアン錯体を加えると、きれいな青色沈殿をつくります。→第1編
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ステンレス
ステンレスはFe+Cr、Niの合金です。クロムは実は不動態なので、不動態トリオですね! 黒蒸しバナナは、ステンレスの蒸し器で作ってたんですねー。
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銅
銅は黄銅鉱CuFeS2として存在します。やわらかく、展性延性に富み、電気と熱をよく通すので、銅線・銅なべに使います。電気対抗の小ささが、AgについでNo2です。でもAgは高いし、銅の方がよく使われます。 逆に電気抵抗が高いのは、ニッケルとクロムの合金の、ニクロム線です。電熱線に使います。 青銅はスズとの合金、青銅器に使われました。黄銅はZnとの合金、5円玉に使ってます。白銅はNiとの合金、50円玉・100円玉に使っています。(500円玉はニッケル黄銅です。) 銅の多くは+2ですが、+1もあります。空気中でさびますが、→第1編 緑色です。ただしCuCO3Cu(OH)2です。 銅は、空気中でさびるぎりぎりのところにいるのです。 空気中で1000℃以下で加熱すると黒いCuOができ、1000℃以上で加熱すると赤いCu2Oができます。高温のせいというよりは、酸素が少なくなるからです。鉄は高温の方が黒くなったから、逆ですね!
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硫酸銅
CuSO4は、銅を熱濃硫酸に溶かすとできます。同時にSO2を発生します。 蒸発させるとCuSO4・5H2Oの水和物、青色結晶となります。これをさらに加熱すると水和物がなくなり、CuSO4白い粉末となります。OH-と青色沈殿をつくります。Cu(OH)2を加熱するとCuOの黒色沈殿となります。 H2SでCuSの黒色沈殿をつくります。Sの沈殿はだいたい黒いです。
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銀
Agは+1が安定です。硝酸や熱濃硫酸には溶けます。 光の反射率がNo1なので、鏡に使われます。熱の伝導率もNo1ですが、高いから銅の方が使われます。 感光性があります。貴金属なので酸化されにくく、酸化されたらわずかな光のエネルギーでもとにもどろうとするからです。特にAgClは、昔の写真に欠かせないものでした。光をあてた部分は、Agになります。残ったAgClは、アンモニアを過剰に加えると溶けます。 でも、AgBrは少ししか溶けず、チオ硫酸ナトリウムNaS2O2なら両方溶けるので、写真の定着剤に使います。チオとは、OをSに変えたというイミです。硫酸イオンSO42-のOを1つSにおきかえ、チオ硫酸イオンS2O32-としたものです。これは、アンモニア以上にAgイオンと安定な錯体をつくるので、安定な錯体をつくるので、溶けるのです。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
Ag+と、硝酸銀
Ag+はOH-で沈殿を作りますが、AgOの褐色沈殿をつくります。 H2SではAgSの黒色沈殿をつくります。Cl-では白色沈殿をつくります。→第1編 Cl-以外でも、F以外なら沈殿をつくります。AgBrとAgIは黄色です。 AgNO3は無色の板状結晶、銀を硝酸に溶かして蒸発させます。これも感光性があるので褐色びんに保存します。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
クロム
クロムイオンの代表的な価数は+3と+6ですが、+6は毒性が強く、六価クロムはメッキ工場からの汚水問題で、昔、日本中で問題となりました。今は汚水を管理しています。 クロムメッキはさびにくく、様々な分野で利用されています。 クロム酸イオンと二クロム酸イオンは対比がよく出ます。H+が増えるとそれを減らそうとして、二クロム酸イオンが増えます。つまり、酸性にすると二クロム酸イオンが増えます。 クロム酸イオンはBa2+、Pb2+、Ag+と沈殿をつくります。→第1編 Oの数が多いと色も濃くなる事が多いです。二クロム酸カリウムの方が赤オレンジで、クロム酸カリウムの方が黄色です。 金属ーO結合が増えるとエネルギー準位が細かく分かれ、可視光を吸収しやすくなるので色が濃くみえるのです。m-でも、Oが多い方が色が濃い!で単純に覚えよう。しかも、赤いから酸性!とおぼえよう。リトマス紙も、赤が酸性だよね。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
マンガン
マンガンも+2、+4,+7と、多数の価数を持っています。鉄より硬いがもろいです。でも鉄に少量まぜると、とても強い金属になります。マンガンはレールのつなぎめに使います。 過マンガン酸カリウムKMnO4は、代表的な酸化剤です。水に溶けます。→第1編 MnO2は黒色褐色粉末です。これも酸化剤ですが、水には溶けません。乾電池の正極(マンガン電池)に使われます。 H2O2から酸素をつくるときの触媒にも使います。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
ニッケル
ニッケルとクロムとの合金でニクロム線をつくります。 電気抵抗が大きいので、電熱器に使います。むりやり電気を通そうとすると発熱します。 水素を吸着する水素化触媒としても知られます。ニッケルで水素を吸着して原子の水素にしてしまい、有機分子も吸着するので水素化させます。ニッケルのd軌道がバランスよくHを表面に保持し、渡すこともできるのです。 Pt(白金)の方がすぐれた水素化触媒ですが、高額なのでニッケルがよく使われます。
第1章 無機物質の性質 ⑧遷移金属
チタン
チタンはいろいろな点ですぐれた面を持つ、将来が期待されたエリートです。 強くてしなやかなのは鉄より上、熱にも酸にも強いのはアルミニウムより上、軽さはアルミニウムには負けますが、軽い方です。 チタン合金Ti+Al+バナジウムなど は、軽いくせに強度はあり、耐食性もあるので、メガネのフレーム、航空機、ロケットに使われます。 水素吸蔵合金は、Ti、Niをベースにしたものです。チタンはH2との親和性が高いのです。Niも水素を吸着させます。 Ti、Fe合金も似たような働きをします。Mg合金もあります。水素を貯蔵できるので、水素自動車の、ガソリンスタンドのような事ができます。 形状記憶合金もTi、Niがベースです。曲げても結晶構造が入れかわるだけで、加熱するともとにもどります。 TiO2は光触媒としても知られます。TiとOのエネルギー準位のバランスがよく、光のエネツギーを与えると半導体のような働きをするのです。