第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
コロイドの正負と凝析
でっかい粒子がぷーかぷーか分散しているものがコロイドです。粘土=負コロイド 水酸化鉄=正コロイド。なんとなく正っぽいですね。OH基があるから、H+をひきつけるのです。 疎水コロイドは、正か負の反発力によって分散したものです。電解質を少量加えると沈殿します。これを凝析といいます。 電気室の+イオンの価数が大きいほど少量で沈殿する場合は、コロイドは負を帯びてます。価数の方が、影響するのです。イオンの数よりも。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
塩析と保護コロイド
親水コロイドは、水との親和力が大きいのだから、たくさんの電解質を加えないと沈殿しません。しかも、塩のような強い強い電解質でないとムリです。だから、塩析といいます。 卵白は、タンパク質が水中に分散している、コロイドそのものです。デンプンは水に入れて加熱、せっけんは一定濃度以上を水に溶かすとコロイドになります。 保護コロイドは、疎水コロイドに親水コロイドを加え、凝析しにくくしたものです。疎水コロイドでも、親水コロイドのようにできるのです。墨汁は炭素が水中に分散して、にかわがこれを助けます。にかわとは、動物からとれるコラーゲン由来のタンパク質で、親水性です。 墨汁中のにかわ。インク中のアラビアゴム。和風には和風、洋風には洋風とおぼえましょう。 インクは顔料が水や溶媒中に分散したもので、アラビアゴムは樹液からとれる多糖類の親水コロイドです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
いろいろなコロイド
ビールを注いだコップの上にできる泡は、コロイドです。ビールの中に細かい空気が分散しています。整髪に使うムースも、液体の中に泡が分散した状態になっています。 マヨネーズ、牛乳、乳液は、保護コロイドで分散しやすくしたものです。マヨネーズは酢の中に油を分散させるように、卵黄でくるんだもので、牛乳は、水中に油が分散するようにタンパク質で包んだものです。乳液は、水分に油が分散するように、電解質でくるんだものです。 墨汁も、前ページで書いたように、水中に炭素を分散させるように保護コロイドで包んだものです。 シリカゲルは、SiO2中に空気が分散したコロイドと言っていいでしょう。これが水分を吸って、乾燥剤に使います。マシュマロも同じように、砂糖やゼラチンから作った個体に細かい空気を分散させたものです。 ゼリーは、ゼラチンの固体中に水を分散させたものです。 人工ルビー、人工サファイアは、AlO3中に不純物をわざと分散させたものです。天然ルビー、サファイアもそうなっているからです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
ゲルとゾル
伝説の名曲「ルビーの指環」は、前にも出てきましたが、「そうね、誕生石ならルビーなの。そんな言葉が頭にうずまくよ。」という歌詞のパロディです。 流動性のないコロイドをゲル、流動性のあるコロイドをゾル。といいます。どっちがどっち、という問題はよく出ます。シリカゲルのゲルとおぼえよう。乾燥剤に使うシリカゲルです。ゾルは、エアロゾルという言葉、思い出しませんか?空気中をただよう液体や固体のコロイドをエアロゾルといいます。スプレーによく、書いてありますね。 それから、コロイドを乾燥させたものをキセロゲルといいます。シリカゲルや寒天がそうです。シリカゲルは、もともとはSiO2が水中に分散してコロイドになったものです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
会合コロイドとエマルジョン
会合コロイドは、たくさんの分子が集まってコロイド粒子になったものです。代表例がセッケンです。親水基が疎水基のまわりをぐるっと囲んでいます。こういうものを特にミセルといいます。ミセルは、会合コロイドの一種です。 デデデ大王は、初期はちょっと独裁者で、ラスボス的存在でした。子分をこきつかっていました。 エマルジョンは、液体に液体が分散したコロイドです。保護コロイドがないと不安定なので、油を保護コロイドで包んだものがほとんどなので、乳製品のようになります。牛乳は、油をタンパク質で包み、水分に分散させたものだからです。乳液でよく言うエマルジョン効果とは、水分と油を肌に均一に与え、肌にうるおいを与えてなおかつ油で膜をつくり、うるおいをにがさないという事です。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
コロイドの現象
チンダル現象・コロイド粒子は光を散乱させるので、強い光は進路が明るく輝きます。雨上がりの日などに木漏れ日がまっすぐな光になっているのは、水蒸気が光を散乱させているからです。コロイド溶液中に懐中電灯の光を当てても、まっすぐな光の道となってみえます。 ブラウン運動・水中のコロイド粒子に水分子が衝突し、不規則に動く現象です。牛乳を顕微鏡で見たりしませんでしたか?油のつぶが、まるで生きているように動いてみえます。空気中では、ほこりが不規則に動いたりします。 透析・コロイド粒子はセロハンを通らないので、水分子だけが通り、出てきます。 電気泳動・コロイド溶液に電気を通すと、正コロイドのFe(OH)2は陰極に、負コロイドの粘土は陽極に集まります。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ コロイド
コロイドの大きさ
コロイドといっても大きさには幅があり、ナノからその100倍まであります。ナノとは、10のー9乗のことです。ー3乗の3つ分!メートルは1000単位ですからね。日本は万単位で数えますが、外国は3桁ごとなんです。 一時、ナノ技術という言葉がはやりました!粒子がナノレベルのものまで扱えるようになり、ナノ技術、とつければカッコイイ、最先端というイメージでした。 「七つの大罪」のディアンヌは巨人族なので、身長は10mくらいあるので、ざっくり、ふつうの10倍としました。強くて、自分の事を僕と呼んで、明るくて純情でかわいかったですね!「進撃の巨人」は、あまりみてないのがバレてしまいましたが、ユミルと始祖ユミルを混同しました。ユミルを描いたのですが、ユミルの身長はあまり高くないんですね。始祖ユミルなら200m以上あるので、100倍です! 「ラブライブ!」は10人いるので、10分の1の1人になったら、原子の大きさです。つまり10−10です。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
還元剤か酸化剤か
酸素を与えるのが典型的な酸化剤、水素を与えるのが典型的な還元剤ですが、相手を酸化させるから自分は還元する、つまり電子をもらって-の方向に行くのも酸化剤です。相手を還元させて自分は酸化する、つまり電子を放出して+の方向に行くのも還元剤です。特にハロゲンや水素のような、価電子が1コだけのものは、電子を1コ出し入れすればイオンになったり分子になったり、酸化還元がしやすいので、酸化剤・還元剤にもなりやすいのです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
圧力と融点
物質は、何か刺激を与えると、それを打ち消す動きをします。 圧力を上げると、融点、沸点は高くなります。つまり液体は固体になり、気体は液体になります。ふつうの物質は固体になると体積が小さくなるので、圧力が下がります。(水は例外)つまり、上げた圧力を下げようとするのです。圧力をかけるとかたくなになる、ペン吉みたいですね!
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
水は例外
高いところでは圧力が低くなるから、沸点が低くなってしまう。低い温度で、すぐ沸騰してしまうのです。だから、カップラーメンはおいしくできません。保温したり、工夫がいります。イモトも、高山でカップラーメン食べたんですかね。 日清とJALが共同開発した「ラーメンですかい」ダジャレかーい! でも。氷は、固体のほうがきれいに結晶するので、すきまがでいるんです。だから、固体の方が体積が大きくなります。だから圧力をかけると、体積を減らそうとして、むしろ溶けます。氷に、おもりをつけた糸をかけると、次第にくいこんで、しまいには下に抜けてしまうのです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
水の状態図
液体、固体、気体の境界を表したものが状態図です。固体からいきなり気体になる部分は「昇華」です。 緑線をみると、圧力を高くするほど固体から液体に変わる温度が低くなるので、融点が低くなっている事がわかります。 圧力をかけると昇華温度は高くなりますが、気体の方が当然体積が大きいので、圧力を下げようとして、気体になりにくくなるのです。 三重点は、固体と液体と気体が共存できる点です。つまりどの状態のものも、同じ所に存在する事ができます。 臨界点は、液体とも気体とも区別がつかない状態です。液体みたいな部分と気体みたいな部分が不均一にあります。つまり、密な部分と疎な部分が入り混じっていますが、液体でも気体でもありません。すぐに入れ替わり、反応性が非常に高いです。これを、超臨界液体といいます。水なら臨界水です。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
二酸化炭素の状態図
二酸化炭素の状態図をみると、一般的な物質にみられるように、圧力を上げるほど融点は高くなっています。 つまり、圧力をかけるほどかたくなになる、溶けにくくなるのです。 また、1気圧では、すぐに固体から気体になってしまいます。ドライアイスとして、保冷剤に使いますね。昇華熱を吸収するので、まわりのものを冷やすのです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
過冷却
液体は凝固点に達しても、すぐに凝固するわけではありません。なにか刺激を与えないとだめなのです。だから、しばらく温度は下がりつづけます。これを過冷却といいます。 溶液の場合は、凝固が始まってもだらだらと温度は下がりつづけます。溶媒から凝固するので濃度が高くなり、凝固点降下が起こるからです。凍りかけたジュースが甘いのは、そういうわけです。 漫才で、「君の瞳に乾杯1」とか甘い事を言って、相方が「あまーいっ!」というのが一時はやりましたね。もう古いか。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
習ったおぼえがなくてもあわてない/h2>
こんなの倣ったっけ?と思うようなことも、常識的に推理していけば、だいたい合っている事が多いです。 例えば、ハロゲン分子の融点や沸点が、原子番号が大きいほど高い!というのは、大きいほど分子間力が働くだろうから、当然、引き合う力も強いんだろうなあ。とうことは、大きいほど固体は溶けにくい!液体は沸騰しにくい!と推理することができるわけです。 もうひとつの例では、単結合、二重結合、三重結合の順に強くなるから、短くなりそうですよね!感覚でいいんです。理由はいろいろあるけども。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
炭素を含む分子の形
炭素は4つの手があるから、全部が単結合なら、正四面体のように広がります。直線形なわけがないんです。 メタンは同じように水素が4つ、ついているから、結合の長さが全部同じなのは、あたりまえですね。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
「Don’t think. Feel!」
「Don’t think. Feel!」考えるな感じろ。これは、スターウォーズ帝国の逆襲で、ヨーダがルークにフォースを教えている時に言った言葉です。実はこれ、「燃えよドラゴン」のパロディです。ブルース・リーが弟子に武道を教えている時に言った言葉なのです。
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
沸点の高いアルコール
1番沸点の高いアルコールはどれか!沸騰しにくいのだから、くっつきやすいものですよね。 OH基のまわりを枝がじゃましているものは、他の分子のOH基が近づきにくそうだから、水素結合しにくく、くっつきにくそうです。 形では、まっすぐでぺたっとしたものの方が、くっつきやすそうです!「Don’t think. Feel!」
第6章 その他の基礎知識 ⑥ 物質の状態
融点の高いアルコール・生物反応・貴ガス
固体を溶かすときは、配列したものをぐしゃっとくずすから、配列しやすいものの方が融点が高いです! 2-メチルー2ープロパノールは、丸い形に近いので結晶をつくりやすく、融点が高いです。三方が同じメチル基だから、丸に近いのです。2-ブタノールも直線なので配列はしやすそうですが、OH基が片側にしかないので、規則正しくは配列しません。 これも、ちょっとは考えるけど、感覚でつかもう! あと、選択問題は、「へっへっへ、これでヒッカケてやるぞ!」というニオイが、だんだんわかってきます。例えば、「ホタルの発光は化学反応である。」「生物に、化学反応なんて、ないと思ってるだろ?」という声が聞こえてきそうです。生物は、化学反応だらけですよ! 「貴ガスの発光は化学反応である。」いかにも化学反応っぽいですね。でも、貴ガスは、化学反応しにくいです。貴ガスと電子が衝突して電子が励起し、戻る時に発光しているだけです。 正解のニオイをかぎとろう!